約10年ほど前に社会問題として話題になった、家出少女が出会い系サイトなどの掲示板を使い男性に助けを求める「神待ち」という行為。
しかし、今となっては「神待ち」は過去の産物であり、2018年現在の出会い系サイトにおいて「神待ち」をしている素人女子とのラッキースケベ狙いは”幻想でしかない”という状態になっているようです。
その理由はなぜなのかを追及するため「神待ち」について深掘りしてみました。
目次
■ 神待ちとは?
寝泊りする場や食事を提供してくれる男性を探す行為
「神待ち」 とは、何かしらの問題を抱えた女性が寝泊りできる場や食事を提供してくれる 「神のような男性を探す行為」
ちなみに、ここで女子たちがいう「神」とは「体の関係を求めない男性」を指し、性交渉を期待して宿泊させる男性は「泊め男」といわれています。
■ 神待ちしているのはどんな女性?
神待ちは当初 「家出をしたJCやJKと称される女子中高生」 による行為で、社会問題として各メディアに取り上げられていました。
それが昨今の国内における社会情勢から、貧困女子や人妻も神待ちをするようになったのです。
家出女子
親とケンカや、DVなどの家庭内トラブルから逃げるためプチ家出をする女子。
おもに18歳未満の女子中高生が該当し、性犯罪につながる可能性が高いと危惧されています。
未成年の家出数は減少傾向。だが、決して少なくはない
警察庁が公表した 「平成29年における行方不明者の状況について」 の統計結果では、行方不明届が出された10代の行方不明者は「16,412人」
平成28年度の10代の行方不明者数は「17,118人」なので、前年比は 「706人の減少」 となります。
減少傾向とはいえ、平成29年の行方不明者数は人口10万人あたり「143.6人」となり、決して低いとはいえない数字です。
参考資料:平成29年における行方不明者の状況について(警察庁)
ちなみに18歳未満の家出少女と出会ってしまった場合、自身が犯罪者になってしまうリスクを抱えるのは理解しておかなければなりません。
18歳未満の児童は肉体関係がなくても逮捕される
日本の法律では18歳未満の児童を保護者の承諾なく宿泊をさせると、当事者同士が同意のもとであっても 「未成年者誘拐罪」 が成立し、この場合の処罰は 「3ヶ月以上7年以下の懲役」 が科せられ、未遂でも処罰対象になります。
肉体関係をもつと罪はさらに重くなる
18歳未満の少女と肉体関係をもってしまうと 「児童買春禁止法」 や 「強制性交等罪」 など、さらに重い罪に問われるのはシッカリと理解しておくべきでしょう。
【 児童買春禁止法に触れた処罰 】
5年以下の懲役。または300万円以下の罰金
【 強制性交等罪に触れた処罰 】
5年以上の有期懲役
※「強制性交等罪」とは、2017年7月に「強姦罪」の内容を改正した名称。
貧困女子
日々の生活に困窮し、住む家さえ定まらずネットカフェを寝床にしているような貧困女子。
労働者派遣法の改正以降、貧困層(ワーキングプア)が増加したといわれています。
家賃や携帯料金など毎月の支払いにも困っている貧困女子たちが導きだした答えは 「止むを得ず割り切り目的で神待ちをする」 という、なんとも闇深い現状です。
人妻
旦那とケンカ・DVを受けているなどの家庭内不和で家を出たけど、頼れる人もいなく神待ちをする人妻。
旦那から逃避し、新たな生活を手にするために割り切り目的で神待ちをするパターンが多いです。
■ そもそも神待ち女子って本当にいるの?
神待ち女子自体は存在する
社会問題としてテレビ番組やノンフィクション書籍にも取り上げられてもいますし、未成年を買春して逮捕されたニュースなども、家出少女の神待ちが関連してるといえるでしょう。
実際に私自身も神待ち中の家出少女と街中で遭遇した経験があるので、神待ち女子が存在するのは間違いありません。
※ イメージ画像です
手持ち無沙汰にしている女子がいたので、興味本位で声を掛けたら「家出中。とりあえず拾ってくれる人を探してる」と、まぎれもなく神待ちギャルだったのです。
しかし、この子に深く関わるのは危険だと感じたので、家出した少年少女を一時的に保護してくれる公的機関の存在を教え、肉まんとペットボトルのお茶を奢りその場から退散しました。
家出をした児童を一時的に保護してくれる施設は 「厚生労働省が管轄する児童相談所やNPO法人」 などがあります。
ちなみに「神待ち女子」とは、街中で遭遇するパターンよりも”インターネット上で見掛ける比率のほうが高い”です。
神待ち女子は”おもにネットに存在”
神待ち女子が利用していたネット上の媒体はふたつ。
- Twitter(ツイッター)
- 知名度のある大手出会い系サイト
Twitter(ツイッター)
「#東京 #神待ち」「#東京 #家出」などのワードで検索すると、神待ちに関するツイートが数多く表示されます。
ただし、書き込みの大半は他サイト誘導業者や援デリ業者。
または、ネタによるツイートが大半。
万が一リアル神待ち女子がいたとしても、Twitter(ツイッター)は登録に年齢認証を必要としないので、18歳未満の児童と接触する可能性があり危険度は高いです。
警察庁の情報技術犯罪対策課の統計によると、被害児童数の多いサイトとしてTwitter(ツイッター)を挙げ、その割合は38%も占めています。
出典:平成29年におけるSNS等に起因する被害児童の現状と対策について(警察庁 情報技術犯罪対策課)
次に神待ち女子たちが利用していたのは、知名度もある「大手出会い系サイト」です。
知名度のある大手出会い系サイト
見知らぬ男性と宿泊をするというのが無鉄砲な行動なのは、女性も重々承知しています。
だからこそ、利用する場は極力安全なところでと考えるのは普通ではないでしょうか。
そこで、神待ち女性が神探しの場としていたのが 「知名度のある大手出会い系サイト」
出会い系サイトなので出会いが目的というユーザーの利用意図が明確で、知名度のある出会い系サイトは男性利用者が多いのも理由といえるでしょう。
そして、真っ当な出会い系サイトは 「18歳以上かを確認する年齢認証が男女ともに必須」 なので、18歳未満の女子と接触する可能性は極めて低いです。
また、Googleで「神待ちサイト」と検索をした際、いくつかの神待ち掲示板がヒットします。
神待ちサイトや掲示板は他サイトに誘導される
このような神待ちサイトの掲示板に掲載されている女性とコンタクトを取ろうとすると、年齢認証を必要としないエロ全開のあやしい出会い系サイトへ飛ばされるパターンがほとんど。
こうしたサイトは利用料金も高額で、連絡先交換をする際に数千円も必要になる、いわゆる”出会えない系のサクラサイト”である可能性大です。
■ ネット上においての神待ちの現状は?
2018年現在、神待ち女子はほぼ見掛けない
神待ちという言葉が世間で広まってから、すでに10年は経過しています。
当時は神待ち女子をネット上(特に出会い系サイト)で頻繁に見掛けられましたが、2018年現在はごくまれに目にする程度に減少。
例えば、神待ちが社会問題として取り上げられピークだった2012年のYahoo! 知恵袋への”神待ち”に関する投稿は「25件」
出典:Yahoo! 知恵袋
それが2017年での投稿はわずか「1件」のみ。
出典:Yahoo! 知恵袋
このように「神待ち」への世間の関心や興味が薄れているのがハッキリ見て取れます。
■ 神待ち女子を見掛けなくなったのはなぜ?
神待ち女子を見掛けなくなった理由として考えられるのは、神待ちをしても神が存在しないのと時代の変化によるものだといえるでしょう。
【 神待ちを見掛けなくなった具体的な理由 】
- 神などいなくヤリ目泊め男ばかりだから
- 女子の目的がパパ活や割り切りに変わったから
- 出会い系サイトの対応がより厳しくなったから
1. 神などいなくヤリ目泊め男ばかりだから
親切心を見せつつ結局は体目的でやっていたまでというのは、今も昔も変わりはないかもしれません。
しかし、以前は少なからず神のような男性も存在していたからこそ神待ちと呼ばれていたはずです。
それが現在は「泊め男」と名称が変わり、その状況こそが”神は存在しない”という証拠になるではないでしょうか。
その結果 「神待ちをする女性たちは減少し、単純に割り切り目的で会う女性が増えた」 のがひとつの利用。
2. 女子の目的がパパ活や割り切りに変わったから
ここ数年で「パパ活」という言葉が世間に浸透してきているのが、神待ち女子の減少に大きく関わっています。
パパ活とは 「肉体関係を持たず、経済的援助をしてくれる男性を探す行為」 です。
パパ活は、本来の神待ちの定義と近いものだといえるのではないでしょうか。
しかし結局はドカタといわれる売春行為をする女子は多く、割り切りの関係を言い換えた表現だと言わざるを得ません。
ただ、見ず知らずの男性の部屋に寝泊りする神待ちとくらべれば、犯罪に巻き込まれるリスクは低いです。
宿泊させただけでコストを掛けずにセックスができると考える泊め男よりも、パパ活男性のほうが羽振りのよい男性がいる比率も高く、女性だったらどちらを選ぶかは火を見るより明らか。
前述に挙げた貧困女子や人妻も、神待ちではなく割り切り相手探しと意識をシフトチェンジしたのが、神待ち女子が減少したふたつめの理由となります。
3. 出会い系サイトの対応がより厳しくなったから
平成20年の出会い系サイト規制法の改正以降、各出会い系サイトで監視体制が厳しくなりました。
出会い系サイト規制法とは、18歳未満の性犯罪を防ぐために施行された法律です。
警察庁が平成30年4月に公表した「出会い系サイトに起因する事犯の被害児童の状況等」の参考資料によると、年を追うごとに被害児童数の減少がうかがえます。
H25年度の被害児童数は159人。
H29年度には29人と大幅に減少。
被害者数が減少した理由として、出会い系サイトの対応が過去よりもあきらかに厳しくなり、18歳未満の児童が登録できない状況を保てているからです。
過去に出会い系で神待ちをしていた女子の大半を占めるのが18歳未満の少女。
こうした少女たちが出会い系サイトに登録できなければ、神待ち女子が減少するのは必然ではないでしょうか。
■ 被害児童が減少していても出会い系絡みで援交事件がおきる理由
神待ち女子も減り、出会い系サイトの監視体制や警察の取り締まりも厳しくなったのが関係して、18歳未満の児童が絡んだ性犯罪は年々減少傾向です。
出典:平成29年におけるSNS等に起因する被害児童の現状と対策について(警察庁 情報技術犯罪対策課)
しかし、頻繁ではないですが年に数回はネットニュースなどで、援助交際関連の事件を見掛けます。
こうした事件の大半は年齢認証を必要としないSNS(コミュニティーサイト)を利用した場合が多いですが、年齢認証が必須な出会い系サイトでも未成年女子と知り合い援交事件の当事者になってしまう理由は以下ふたつ。
- 話を進めて会った女子が年齢詐称をしていた
- 援デリ業者が斡旋した女子がJKだった
話を進めて会った女子が年齢詐称をしていた
プロフの年齢では18歳以上だったので、特に心配せずに会ってみたら実は未成年だとカミングアウトされるパターンはゼロではありません。
出会い系サイトで相手とやり取りをする際には”年齢確認が必須”となるのに、なぜ登録できたのかというと 「ネット上で出会い系サイトのアカウントを販売している業者がいるから」 です。
オークションサイトや、TwitterなどのSNSからも出会い系サイトのアカウント販売をしている現状を確認できました。
このようにネット上でアカウントを簡単に手に入れた未成年女子が、援助交際を目的とし出会い系サイトを利用して摘発されニュースになるという流れです。
当然、出会い系サイトではアカウントの売買行為は禁止している
アカウント売買をして取り締まられる法律はありませんが、例として大手出会い系サイトであるPCMAXの利用規約を挙げると 「アカウント売買が発覚したときは即時利用停止」 などの厳しい対応をとっています。
援デリ業者が斡旋した女子がJKだった
もっともニュースに関連している率が高いのが 「援デリ業者から未成年女子をあっせんされるパターン」 です。
出会い系サイトの運営サポートがシッカリとした監視体制を取っていても、援デリ業者といった売春をあっせんする無認可の風俗業者が後を絶ちません。
無認可ですので18歳未満の少女を雇っている場合もあります。
おもな事件例として、2015年に家出している18歳未満の少女を雇い売春させ収益をあげていた容疑で、東京の援デリ業者の男二人が逮捕。
2016年には大阪でJC・JKを雇い出会い系サイトで客を集めていた男と、売春する女子をスカウトしていた16歳の少女が逮捕されたというショッキングなニュースもありました。
少女をあっせんする業者だけではなく、JCやJKというワードに誘惑され 「買春する男性も犯罪に加担することになる」 のは忘れないようにしてください。
■ まとめ
家出少女たちがしていた 「神待ち」 が社会問題になってから数年が経過し、現在は”パパ活・割り切り”へと女子たちの意識と目的が変わってきています。
家に泊めるだけでエッチができるという男性の願望は、儚い幻想だと言わざるを得ない現状であり、そうした男性を逆手にとる悪質な業者やサイトにも気を付けなければなりません。
とにもかくにも、出会い系サイトを利用して充実した時間を手にしたいのなら、将来を棒に振るようなリスクある出会いは求めないのが賢い選択だといえそうです。